済州の夏を待ち遠しく思う理由はたくさんあるが、私にとって港での水遊びもその一つだった。
日差しで熱くなった防波堤の上から海を見下ろし、一、二、三と数えて飛び込む瞬間。体がふわりと浮いた直後、冷たい海水が全身を包むと、済州まで来た甲斐を一気に実感できた。
しかし、こうした光景も間もなく思い出になりそうだ。2027年4月から漁港区域では、遊泳やダイビングなどの水遊びが禁止される予定だからだ。
残念ではあるが、まだこの夏が残っている。それなら早くから惜しむよりも、安全ルールを守りながら最後の港での水遊びを存分に楽しむほうがよいのではないだろうか。
済州で港ダイビングの楽しさを味わえた3カ所、パンポ港、キムニョン・セギアル海岸、クドゥミ港を改めて選んでみた。

済州の港遊びの代表格、パンポ港
済州の港での水遊びを語るうえで、パンポ港を外すことはできない。
夏になると防波堤の周辺は人で埋まり、水面には色とりどりの浮き輪が漂う。静かな漁村の小さな港が、ひと夏だけ巨大な屋外プールへと姿を変える場所だ。
パンポ港が愛されてきた最大の理由は、やはり水の色だ。日差しのよい日には港の奥まで鮮やかな青が広がり、水面にただ浮かんでいるだけでも済州の夏の真ん中に入り込んだような気分になる。

しかし、パンポ港でぷかぷか浮かんでいるだけでは少し物足りない。この場所の本当の楽しさは、防波堤から海へ飛び込むダイビングにあった。
初めて上に立つと、下から見たときよりも高く感じる。前の人が気持ちよく飛び込む姿を見て勇気をもらっても、いざ自分の番になると、なかなか足を踏み出せない。
それでも大きく息を吸い、思い切り飛び込めば、ためらっていた時間がうそのように思える。水面に上がるやいなや、また防波堤へ泳いでいってしまうのを見ると、港ダイビングには確かに人を引きつける楽しさがある。

パンポ港は3カ所の中で最も活気があり、気軽に水遊びの雰囲気を楽しめる場所だ。一方で、真夏は人が多く、駐車や移動が不便になることもある。比較的空いている午前中に訪れれば、澄んだ水と港の風景をもう少しゆったり楽しめる。
海の風景も満喫したいなら、キムニョン・セギアル海岸
パンポ港が大きな夏の遊び場のような場所なら、キムニョン・セギアル海岸は済州東部の海景色がより濃く心に残る場所だ。
白い砂、澄んだ海、赤い灯台、風力発電機が一つの画面に収まる。水遊びを始める前から、先にカメラを手にしたくなる理由だ。

潮が引く時間には砂浜と浅瀬が広く現れ、気軽に足を浸すのにちょうどよい。港のほうへ行けば、泳ぎやダイビングを楽しむ人たちの姿に出会える。
防波堤から見下ろした水がひときわ透明な日は、我慢するのが難しい。水深と入水地点を確認して海へ飛び込めば、冷たい水とともに体がたちまち軽くなる。一度飛び込むと、二度目からは勇気を出すまでの時間が目に見えて短くなる。

セギアル海岸の魅力は、水遊びの前後も退屈しないことだ。キムニョンの海岸風景を眺めながら歩き、暑くなったら水に入り、再び上がって赤い灯台と海を見ながら休むのにぴったりだ。
ドラマ サムダルリへようこその主要ロケ地として知られており、見覚えのある場面を探す楽しみもある。水遊びと済州らしい景色の両方を楽しみたいなら、3カ所の中で真っ先に思い浮かぶ場所だろう。

小さいけれど長居したくなったクドゥミ港
クドゥミ港はパンポ港やセギアル海岸と比べて規模が小さく、雰囲気もより穏やかだ。
西帰浦・甫木洞の村道に沿って入っていくと、こぢんまりとした港と海が姿を現す。観光地に到着したというより、地元の人々が夏になるたびに訪れる水遊び場にそっと混ぜてもらったような感覚が心地よかった。

港が小さいため、水遊びをする人たちの笑い声や水へ飛び込む音がより近くに聞こえる。誰かが先にザブンと飛び込むと周囲に笑いが広がり、その姿を見た別の人が再び防波堤へ上っていく。
私も最初は水に体を浸して休むだけのつもりだった。しかし、次々に続くダイビングを眺めているうちに、結局は防波堤の上に立っていた。
少しためらった末に海へ飛び込み、冷たい水から上がってソプソム島が見える海を眺めた。華やかな施設はなくても、「済州で夏を過ごしている」という感覚だけは、3カ所の中で最も鮮明だった。

クドゥミ港は、にぎやかな水遊び場よりも、小さな港でのんびり泳ぎたい人に向いている。水遊びを終えた後、甫木村と海岸道路をゆっくり巡るのにもよい。

3カ所のうち、どこへ行く?
にぎやかな雰囲気と済州の港での水遊びの王道を体験したいなら、まずはパンポ港だ。
青い海と白い砂、灯台が織りなす風景も一緒に眺めたいなら、キムニョン・セギアル海岸がよい。
比較的人の少ない小さな港で泳ぎやダイビングを楽しみたいなら、クドゥミ港がより心に残るかもしれない。
どこを選ぶにしても、潮の時間、天候、現地の規制状況を最初に確認しなければならない。港は水深が急に変わることがあり、船が出入りする場所でもある。ダイビングの前には入水地点と水中の障害物を確認し、ライフジャケットを着用して、一人ずつ安全に飛び込むのが望ましい。ダイビング禁止の案内や安全スタッフによる規制がある場合、その日は遊泳だけを楽しむべきだ。
「最後」という言葉は、普段より無理をして遊ぶという意味ではない。長く覚えていたい夏だからこそ、けがをせずに帰ってくるところまでが旅だ。
来年からは、防波堤の上から海へ飛び込む光景に出会うことが難しくなる。この夏だけは、しまったままにしていた水着とライフジャケットを用意して、済州の港へ向かってみよう。
水へ飛び込む前の緊張感、海に触れた瞬間の爽快さ、そして水面に上がってもう一度飛ぼうと笑い合った時間まで。
済州の港で過ごす最後の夏が、名残惜しさよりも心躍る思い出として長く残るように。
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